渡辺曜研究委員会

渡辺曜について考察するブログです。

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曜研レポート①:「人々はなぜ渡辺曜に惹かれるのか?」 #渡辺曜生誕祭2018

ラブライブ!サンシャイン!!』における「渡辺曜人気」はどこから来るのか、1年と9ヶ月以上分析を続けてきた渡辺総研がその見解を示します。

1. 渡辺曜人気はどこから来るのか?

4月17日は『ラブライブ!サンシャイン!!』のキャラクター渡辺曜さんのお誕生日です。

というわけでお誕生日おめでとうございます! 渡辺曜さんにはいつもブログ諸々でお世話になっております。

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↑本当は4月17日のお誕生日に合わせて、上の記事を全面リライトしようと思っていたのですよ。まあ無理だったのでこちらで備忘録的な文章を少し載せておくことにしました。なので上の記事の第2稿的な扱いとなります。

そんなわけで、渡辺曜人気について改めて渡辺総研の見解を示します。今回はデータをあまり参照しきれてないのでわりかしざっくりめなテイストになっていると思います。つまり客観的考証というよりは「渡辺総研はこういう感想持ってますよ」という主観よりの主張になるかと思います。

2. 渡辺曜人気という神話はどこから生まれたのか?

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↑〈画像は2018年3月11日時点のもの〉

『ラブライブ!サンシャイン!!』総選挙の人気投票順位【最新版】 - 渡辺曜研究委員会

いきなり話の腰を折るようで恐縮なのですが、渡辺総研はそもそも「渡辺曜人気」というものに懐疑的です。

上の総選挙の結果を参照しますと、総選挙で1位を取った回数は津島善子と並んでかなり多いことがわかりますね。

2016年はそれこそ渡辺曜1強といっても差し支えなかったかと思いますが、2017年は上位3位からの脱落や最終結果でまくられる結果が目立ちましたね。2代目セガとスクフェス27人総選挙は中間で1位を取りながらも、最終では3位にも残れないというかませっぷりを発揮しました(=「中間1位の女王」)。

ただし2018年は「第2回浦ラジ!!!パーソナリティ総選挙」にて上位3位にランクインするなど、総選挙で上位に食い込む能力がある、という意味では人気があるとはいえそうです。もっともこちらは声優ラジオ総選挙としての側面もあるので一概には言い切れません。

2-1. 相対化される渡辺曜人気

人気を測るという行為自体が、わりかし恣意的かつ抽象的なものなのであまり信用がおけないということもあります。

総選挙はその時々の状況や情勢、ファン心理に左右されるものであり、必ずしもキャラクター人気を正確に反映するものとは言えません。渡辺総研では渡辺曜人気を測るためにGoogle Trendsといったツールも活用してきましたが、やはりデータで人気を測ることは困難であるといわざるを得ません。

そのうえでやはり公式による総選挙が、キャラクター人気を読み取るうえでもっとも信頼性が高いデータといえるわけです。

なので、ここからは渡辺総研のデータに基づかない偏見に基づいた意見なのですが、渡辺曜人気というもの、特に2016年の渡辺曜1強といわれた人気は、その他の『ラブライブ!サンシャイン!!』のキャラクター魅力像が十分周知されていなかったという環境的要因が大きかったのではないかとも思うわけです。

その点ではTVアニメ1期で様々な議論を呼び、2期でキャラクターが存分に掘り下げられたとされている黒澤姉妹の存在は示唆に富みますね。

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要するに「渡辺曜人気は、当初はキャラ立ちしてなかった(とユーザーに認識されていた)他キャラと、明確にキャラがたっていた渡辺曜によるスタートダッシュの差ではないか」と思うわけです。

もちろんこの仮説だと、中間とは言え2017年の2代目セガやスクフェス27人総選挙で1位を取ったことの説明がつかないのでやはり渡辺曜人気はあるとは思いますけどね。

 

ぶっちゃけると渡辺総研は渡辺曜の人気があろうとなかろうとさほど興味がないんですね。渡辺総研が渡辺曜人気について数多く取り扱っていたのは、「渡辺総研の考える渡辺曜の魅力」と「世間一般のラブライバーが考える渡辺曜の魅力」が一致していると考えていたためです。しかし、最近はこれはどうも違うのではないかと思い直しました。

渡辺総研風にいうと、「神学論的渡辺曜には興味があるが、キャラクターとしての渡辺曜はそこまで好きではない」ということですね。そもそも渡辺総研は花丸ちゃん推しですし。

だからねーいまだに「渡辺曜がかわいい」っていう曜ちゃんファンの声を納得はしますが理解はできないんですよね。渡辺総研が渡辺曜にハマったときに抱いた感情は「かわいい」でも「すごい」でもなく「怖い」でしたからね。

生物が本能的に火を恐れる一方で、人間は火を体感的なり原理的なり理解し自らの利益のために利用することができました。

渡辺総研もまた渡辺曜に畏怖の感情を覚えました。だからこそその本質を理解し、エッセンスを取り出して言語化することこそ重要と考えたわけです。理解ができれば利用ができます。つまりキャラクター造形論とか物語論とかに転化できる可能性があるわけです。これが渡辺曜研究委員会を立ち上げた理由ね。まあこれは余談です。

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渡辺総研がどういう風に渡辺曜をこじらせたのかは現状↑の記事が詳しいですね。

3. 渡辺曜人気のエレメント

「渡辺曜人気」というものは実証できるか否かも含めて検証や議論が必要です。しかしこのままでは話が進まないので、ここでは「渡辺曜は人気である」と仮定しましょう。

その場合、渡辺曜人気を形作る構成として、次のようなものが考えられます。

3-1. 忠犬曜ちゃん(犬属性)

忠犬曜ちゃんというとあれですが、要するに犬です。Dogです。

渡辺曜と犬を関連付ける言説はいくつかありまして、その主要発生源は渡辺総研が確認した限りですと、TVアニメ1期第9話「未熟DREAMER」が最初ですね。さらに詳しく言うと、落ちてくる制服に反応して「くんくん、制服ぅ!」って学校のベランダから飛び降りるシーンです。

「匂いに反応している」「犬のような感覚直結型反応」「ご主人様(千歌ちゃん)に一途」「髪が犬みたいにぼさぼさ(偏見込み)」といった様々な要素から渡辺曜と犬の言説親和性は高いと考えられます。

Twitterのイラストなどですと、「千歌ちゃん(猫)渡辺曜(犬)」のイラストとか「狛犬ようりこ」なんかもありますね。狛犬ようりこの渡辺曜は、本質を突いた素晴らしい2次創作だと感心した覚えがあります。気になる人はGoogleかPixivかTwitterで「狛犬ようりこ」で検索してみよう。

忠犬ヨーソローもここらへんの言説対応用語ですね。犬要素があるから渡辺曜人気があるといいたいわけではなくて、人気な渡辺曜が犬属性で関連付けられることが興味深いねという趣旨でここでは述べています。

3-2. スクールカースト頂点のキラキラ女子

ご存知のように学校には不可視の身分制度、スクールカーストが存在します。渡辺曜はこのスクールカーストの頂点もしくは上位0.5%に君臨しており、いわゆるリア充キラキラ女子という言説要素があります。

考えてみれば美人で人当たりがよく分け隔てなく誰にも話しかけてくれて笑顔が素敵で高飛び込みのナショナル級の実力を兼ね備えていてスタイルがよいボーイッシュさもあるイケメン女子とかモテないわけがないんですね。

渡辺曜はクラスのスクールカースト最底辺であるオタクにも上位の余裕から笑顔で話しかけてくれます。そしてオタクは女の子が笑顔で話しかけてくれるだけで「もしかして好意があるのでは?」と錯覚してしまう悲しい性を備えており、結果としては渡辺曜に告白してフラれます。もしくは「山崎、また渡辺に告って玉砕したらしいぜ」「懲りねーなw」という放課後のサッカー部のクラスメイトの会話を、後ろから2番目の座席で顔を机にうずめて聞き耳を立ててつつ「(渡辺、また告白されたのか。今月で何人目だ…?)」と思索する自身はまったく告白できる立場にないオタクのどっちかをやってるでしょうね。身分違いの恋とも呼べない憧憬は、スクールアイドルに輝きに憧れた少女たちの構図と対応しています(?)

3-3. 帽子-ボーイッシュ-髪型

まあ要するにボーイッシュってことですね。

『ラブライブ!サンシャイン!!』では髪の長いメンバーが多いですが、その中でパーマがかかり比較的ショートヘアの渡辺曜は、「髪が長いことが女子力である」との言説に準じるのであれば「女の子らしくない」ということになります。

髪が短いとヘアアレンジも若干しづらいかと思いますが、キャップを被ることで髪型もキャラクター性もカバーしていた点はわりかし感心しました。運動着のダサさもオタク的共感を呼んでいたのではないかと考えられます*1

逆にだからこそ女の子らしさが際立つみたいなところもありますけどね。TVアニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』2期第12話「光の海」のWBNWの渡辺曜の髪型はまさにでしたね。あれはよくできてた。渡辺総研もWBNW衣装の渡辺曜は好きですね。

3-4. ようちか幼馴染・嫁

ようちかはやはり渡辺曜を語るうえで欠かせませんね。よしまる推しの渡辺総研でさえようちかには思うところが多々ありますからね。

ようちかは元々そこまで大手カップリングではありませんでしたが、恋アクのアニメPVをきっかけに爆発的に勢力が拡大したとの印象があります。TVアニメ2期ではある意味で落ち着いたという見方もできるでしょうし、千歌ちゃんを常に信じて待ち続ける渡辺曜を忠犬ヨーソローととらえるのとは別に「嫁」ととらえる方もいらっしゃるようですね。

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↑画像は〈Megami MAGAZINE 2016年 09 月号 [雑誌]〉72頁より

寄り添う姿はまさに嫁なんですってよ、奥さん。

ちなみにこの嫁属性の渡辺曜言説はTVアニメが根強い印象ですね。公野GOD原作に近しいとされている漫画版の渡辺曜は、嫁力とは無縁な気もします。

こちらはいつかちゃんと総括したいと思いますし、なんならTVアニメの渡辺曜人気を読み解くうえでもっとも重要な要素であると考えます。

3-5. 体育会系

公式のキャラプロフィール見れば書いてありますが、渡辺曜の趣味は「筋トレ」ですね。腹筋鍛えてるでしょうし場合によっては頭も筋肉になってますよねー。

いい悪いはさておき、ヨーソロー女子で体育会系なのは致し方ないことなのかもしれません。ちなみに渡辺総研は、渡辺曜の体育会系のノリがあまり好きではありません。まあそれはどうでもいいです。問題は体育会系のくせに(?)妙に人の心の機微に気が付くところですね(ここ偏見入ってます)。むしろTVアニメ版は脳筋のくせに妙に頭脳明晰な設定が付与されたことが、異端というかある種のエラーだったのかもしれません*2

3-6. 童貞スクラム

渡辺曜の一番の謎というかエラーだよねもはや。渡辺曜と童貞って一番かけ離れてる要素じゃん。

これ意外に思う方もいるかもしれないのですが、渡辺総研は渡辺曜を童貞呼ばわりする風潮好きではないのですよね*3。それはこんなかわいい曜ちゃんを童貞呼ばわりするなんてけしからん…!というわけでは一切なく、単に童貞という言葉は渡辺曜を人間に貶める言葉だからです。

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渡辺総研は渡辺曜を人間と思うことにすごく抵抗があって、なんなら神様的な存在であってほしいとさえ願っています(=渡辺曜神学論者)。それゆえに渡辺曜の人間アピール、ないしは渡辺曜の人間的弱さを描いた友情ヨーソローには非常に失望を覚えました。渡辺曜には常に完璧であってほしかったですね。その点はレイシアを見習ってほしいと思います*4

これは渡辺総研の特殊な楽しみ方であるので、他の方には特におすすめはしません。しかし、TVアニメ1期の渡辺曜について「完璧超人すぎてこんな人間(キャラ)リアルじゃいねーよ!」というツッコミをする方であれば、あれは「人間の形をしているだけの神様的存在だから完璧なのは当たり前」と発想を転換することで実は納得しやすかったりします。つまりアナログハックです。

渡辺曜の童貞メガネヨーソローはなんだろうね、まあオタクとの漸近性みたいな要素なのかなあと思ったりしますが、いまだ測りかねているところではあります。

3-7. 完璧な存在の報われなさ

これは皆さんにご理解いただける一般論という前提でお話しますが、一般に物語を楽しむためにはキャラクターに感情移入させることが重要だといわれています。

一方でなんでもできる完璧超人キャラは、欠点がないという意味において非凡であり、感情移入の対象としてはかけ離れた存在といえるでしょう。

しかし、たとえばどんなに完璧なキャラであっても、そのキャラの想い人には振り向いてもらえないという設定を付与してやると、ここに「報われなさ」という属性が付与されます。この「報われなさ」という要素は、万人にとって感情移入が可能な属性なのではないか、これが渡辺総研の考える渡辺曜の魅力だったりします。

正確には、TVアニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』1期におけるようちか言説内における渡辺曜の魅力なのですが、ここらへんがようちかが支持された大きなポイントなのではないかと渡辺総研は推察しますね。

たとえば少女漫画などでも万能型イケメンの男性キャラが、主人公(女性)にだけは振り向いてもらえないといった展開は見られるかと思いますが、俗人離れした完璧ハイスペックキャラであっても、この「報われなさ」属性の付与によって「人間臭さ」や感情移入のきっかけとなるという意味において、ここには物語論・キャラクター論の気づきも起こりうるわけですね。

また、ようちかの魅力はこれだけではなくて、たとえば幼馴染で2人とも似たようなリアクションをとっちゃうところとか、近いようで遠い、触れそうで触れない絶妙な距離感なども挙げられるかと思います。まあここらへんはようちか推してる人に聞いた方が早い気もしますが、いずれにしても、ようちかはその他の『ラブライブ!サンシャイン!!』のキャラカップリングと比較しても一線を画しているような印象さえあります。

4. 常勝ヒロイン渡辺曜はなぜ勝てなかったのか?

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これは上の記事で書き忘れてたので、ここで追記しますが、渡辺曜はなぜ勝てなかったのかということですね。常勝ヒロインについてはここでは割愛するので上の記事をご覧ください。

渡辺曜が仮に千歌ちゃんが大好きで、千歌ちゃんに振り向いてもらうことが勝利条件であるとしましょう。その千歌ちゃんに接近しているライバルが梨子ちゃんであると仮定しましょう。

さて、渡辺曜は梨子ちゃんを跳ね除け、千歌ちゃんを手に入れることができたでしょうか?

 

こっからは完全に渡辺総研の偏見なんですけど、渡辺曜はやはり完璧なんですよ。完璧だからこそ何事にも勝つことができるんです。しかし桜内梨子の登場で守りに入ってしまった。渡辺曜は勝ち続けることではなく、負けないことを選んでしまったのが敗因だったのです。勝利と不敗はまったく異なるのです。

また言い方を変えてみましょう。渡辺曜と桜内梨子、どちらが高海千歌のそばに寄り添うことができたでしょうか?

物理的に寄り添うという意味では幼いころから共に過ごしてきた渡辺曜に軍配が上がるでしょう。しかしご存知のように転校してきた桜内梨子は、ある意味において物理的にも心理的にも高海千歌に寄り添うことができました。したがって高海千歌に寄り添うことができたのは桜内梨子になります。

そもそもなぜ梨子ちゃんと千歌ちゃんが繋がれたのかというと、それは二人が互いに挫折体験を持っていたからです。「自分には何もない」「ずっと続けていたピアノを弾けなくなった」、心の奥底の弱さをさらけ出した二人は、時間的制約を超えて密接につながることができました。その意味において、敗北経験がない(とされている)渡辺曜ではその間に入ることができなかった。渡辺曜はまさしく敗因がないことが敗因であったわけですね。

 

上記の見方は別に正しいとは思わないけど、仮にこの延長線上で考えるならば、1期11話「友情ヨーソロー」の渡辺曜の弱さの顕在化がある種の敗北経験であり、その敗北経験の共有がようりこを対等に結び付けたともいえそうですね。だからこそ2期では2年生3人がそれぞれ対等に結びつくことができたと。

 

ここらへんは渡辺総研の趣味的解釈なのですが、別にそういう見方ができるというだけですね。高飛び込み競技をやっている渡辺曜が物事を勝ち負けでとらえるのは別に自然なことだと思いますけど、TVアニメだとプールに行く描写も皆無だからよくわからんですね。

話はそれますが、高飛び込みのナショナル級選手という設定なのに、TVアニメでは1期1話の幼少期の回想でしか登場しないところとか、わりとねじれというか、ここまで渡辺曜がこじれた遠因であるとは思いますね。たぶんTVアニメで渡辺曜が高飛び込みしてるシーンがあったら渡辺曜研究委員会は生まれてないと思います。HPTのアニメPVでは水着姿は出ましたけどそれだけですね。劇場版で出るのなあ?

5. 渡辺曜の否定神学

こちらはメモ書きというか余談なのですが、ポストモダンの視点から渡辺曜を考えた際、そこには否定神学を起点とした相対主義による絶対性への回帰が想定されるため、そこに渡辺曜神学論の必然性を感じることがあるわけです。たとえばここに郵便的脱構築等を念頭に置くと、渡辺曜を取り巻く環境、たとえばコミュニケーション資本主義や社会関係資本といった外部関係をいかに含められるかが課題となりますが、肝心の渡辺曜そのものがフレームアウトしてしまう懸念がでてきます。

*1:当初は完璧超人の渡辺曜があえて欠点として用意した「人間アピール」だと思っていましたね。ちょっとした欠点がある方がかわいいでしょ?的な

*2:ここでは頭脳明晰といっていますが、よく気が付くというだけであって、学校のテストの点数がいいかはわかりませんね。

*3:というわりには結構童貞連呼していた気もするけど

*4:TVアニメ『BEATLESS』第12話(総集編込みだと第14話)までではレイシアはいわゆる友情ヨーソローしていませんが、この先しないという保証はありません。