スクフェスのUR渡辺曜についてのコラムです。
1.はじめに:コラムの概要説明
本題に入る前に少しだけ記事の企画趣旨を説明します。
「渡辺総研コラム」は筆者である渡辺総研が、思ったことを自由に書き連ねる企画記事です。名前の通りですね。
最近はスマホでの見やすさを意識したビジュアル重視の記事を多く書いているのですが(という志向を自分の中では持ち合わせているのですが)、こちらはそういった配慮はまったくないですね(身もふたもない言い方にはなりますが)。
純粋に文章を書きたいときはこうしたコラムという形式をとりたいと思います。言わば、渡辺総研の考えを言語化し、新聞のコラム欄に連載しているようなイメージで書いています。
ひとつポイントとなるのが、ここでは当ブログで中心的に取り扱っている「渡辺曜」のこと以外でも、触れられるよう幅を広くとっているということですね。のちに生きてくると思います。
2.渡辺総研コラム①:「UR渡辺曜は何をもたらしたのか?」
当ブログでは渡辺曜について様々な分析を行ってきた。その上で中軸的な位置づけとなっているのは「渡辺曜人気はいかにして成立しているのか」という問いだ。
2-1.渡辺曜の人気は衰退したのか?
渡辺曜人気については当ブログでも様々なアプローチから分析を試みてきた。もちろん、キャラクター人気とは一概に測れるような、単純な事象ではない。しかしそれらを考察する上で、もっとも信頼性の高い指標はやはり「総選挙」である。
そこで『ラブライブ!サンシャイン!!』における各キャラの総選挙の順位を見てみよう。
↑〈画像は2016年11月28日時点のもの〉
初期ではそれこそ「不動の一位」を思わせた渡辺曜は、総選挙の後半ではその順位を大きく落としている。
第2回センターポジション総選挙においては、躍進した松浦果南とは対照的に、自身歴代最下位の5位にとどまっている。このことは渡辺曜の人気減退を裏付ける根拠となりうるのだろうか?
結論から言えばそうではない。仮に総選挙の順位が人気を裏付けるものだと仮定しても、上記のグラフには反映されていない選挙結果がある。すなわちスクフェス総選挙である。
↑画像は〈スクフェスお知らせ〉画面より
2016年10月6日から10月20日までの間に行われた「Aqoursといっしょ♪冬休み大作戦」。
この総選挙ではAqoursメンバーとどのような冬休みを過ごしたいか、あらかじめ設けられた「各キャラ+シチュエーション」の選択肢の中から投票を行い、1位を獲得したメンバーは新規描きおろしイラストによるUR部員カード化という特典がなされた。
結果は「渡辺曜・冬といえばスノボ!」が1位。その発表は2016年10月31日のことだった。第2回センターポジション総選挙の結果判明日が同年10月26日だったため、わずか5日後の出来事である。
第2回センター総選挙で1位を獲得した松浦果南。渡辺曜は第1回センター総選挙1位。前回王者の貫禄を示すような、雪辱を果たした格好となった。
このように上記の総選挙表には反映されてはいないが、渡辺曜は数々の選挙において好成績を残しており、その人気は確かなものであるといえる。
2-2.2016年12月19日:UR渡辺曜の衝撃
↑画像は〈スクフェス〉画面より
先のスクフェス総選挙で1位を獲得した渡辺曜。そのURカードデザインは2016年12月19日に公開され、大きな反響を集めた。
【お知らせ】12/21(水)から!冬休み特別ログインボーナスが開始致します!『Aqoursといっしょ♪冬休み大作戦!』にて第1位に輝いたUR渡辺 曜をGET!?詳細はこちら♪ ⇒https://t.co/caxn7Hbrmq #lovelive #スクフェス pic.twitter.com/8caL1YpZzm
— 【公式】ラブライブ!スクフェス事務局 (@lovelive_SIF) 2016年12月19日
その理由として「冬といえばスノボ!」というシチュエーションにもかかわらず、上着のファスナーを下ろして胸部を大きく露出し、さらにはスノボをやっているはずがミニスカートを履くという前代未聞の格好だったためである。
UR渡辺曜といえば「渡辺曜UR<クリスマス編>」も記憶に新しいが、今回の真打ち登場にその存在感は霞んでしまっている。
↑画像は〈スクフェス〉画面より
しかし前回のUR渡辺曜の清楚なイラストが、今回のイラストのエロさや衝撃をさらに高めるものとして機能した可能性は否定できない。もっともこちらのスケートをする渡辺曜も上半身はともかく下はミニスカートのため、足元が寒そうなことは同様である(ただしこちらは合わせ絵の花丸が黒タイツを履いているため、差別化を測るため、あるいはスポーティーな渡辺曜はこの程度の寒さは気にも留めないといったキャラ設定による事情がありそうだ)。
このUR渡辺曜はAqoursキャラ初のログインボーナス報酬でもあるため、このような大胆なイラストはファンサービス的な側面もあるのかもしれない。
ともかく今回のUR渡辺曜が大きな反響をもたらしたことは間違いない。Twitterには関連イラストが多数投稿されたほか、渡辺曜役の斉藤朱夏氏も感想を寄せている*1。
このUR渡辺曜が何をもたらしたのか、どのような言説を生成したのか、それについてはまだまだ検証が必要である。
2-2-1.胸はだけは果南直伝?
余談ではあるが、スノボUR渡辺曜関連イラストでは松浦果南を含めるものが複数確認できる。
その背景として、電撃G'sマガジンにて果南がウェットスーツから胸をはだけるようなイラストがあり、またアニメ第12話においても果南がウェットスーツを脱ぐ描写がある。このことから「果南先輩の真似をした渡辺曜」というネタとして関連付けされているようだ。
↑画像は〈ラブライブ!サンシャイン!! FIRST FAN BOOK〉24頁より
2-3.渡辺曜のエロチック伝説と新時代の幕開け
今回のUR渡辺曜は「渡辺曜=エロい」言説をさらに推し進めるものとなるかもしれない。
当ブログでも渡辺曜のエロさについて記事化しているが、 興味深いのはアニメにおける渡辺曜が「エロいキャラ」として語られていないことである。
渡辺曜のエロの代名詞とされる競泳水着姿も、アニメでは未登場である。アニメにおけるおっぱいキャラは松浦果南であるが、スクフェスにおいて渡辺曜がおっぱいキャラとして認知されていくとすれば、これは興味深い事象である。
余談だが2016年12月頃からTwitter上では「#渡辺曜マイクロビキニ部」というハッシュタグが存在する。
これは渡辺曜にマイクロビキニを着せたイラストが投稿される際につけられるハッシュタグであり、いわば「渡辺曜=エロい」を体現したようなトレンドである。
もっとも、筆者が確認したところ、このハッシュタグが使われ始めたのは2016年12月12日からであるため、スノボUR渡辺曜とは時系列的には関係ないはずである。
しかし、この「#渡辺曜マイクロビキニ部」といった自然発生的なトレンドと、今回のスノボUR渡辺曜の胸はだけイラストの登場によって、「渡辺曜=エロい」言説がさらに補完され補強される可能性がある。
筆者は渡辺曜人気にまつわる時期区分において、アニメの第11話以降の渡辺曜時代を「ポスト渡辺曜イズム」と命名した。しかし上記の流れはポスト渡辺曜イズムの中の、あるいはそれに続く「新たなる渡辺曜時代」の幕開けを予感させる。
現時点においてはまだわからないが、渡辺曜の歴史を語る渡辺曜史があるとすれば、2016年12月は渡辺曜のさらなる歴史的転換点として語り継がれることになるだろう。
2-4.終わりに:渡辺曜と松浦果南のエロさは別種類のものである
ファンが松浦果南に求めるエロさと、渡辺曜に求めるエロさはおそらく異なるものである。
それは松浦果南が「お姉さんキャラ」や「母性」持つキャラとして、つまり「バブみ」*2を感じるキャラとして認知されているのに対して、渡辺曜は「幼馴染」や「かわいい同級生」キャラとして、「彼女的かわいさ」を求める点など、そのファン層にはれっきとした違いがあると考えられる*3。
この「エロい」という言葉はそうした差異をすべて内包しており、一見便利ではあるのだが、一方でそうした差異を可視化できないという欠点も持ち合わせている。それぞれのキャラにおける「エロい」とは「つまりなんであるのか」ということも、厳密なキャラクター人気分析をするのであれば、これから明らかにする必要があるだろう。
≪宣伝リンク≫
≪参考文献≫
*1:斉藤朱夏 on Twitter: "かわいいかよ。かっこいいかよ。
ありがとうございます🙏
はやくゲットしたい✌(´>ω<`)✌ https://t.co/cY4l5gvaMk"
*2:ここでの「バブみ」の使い方については間違いがあるかもしれない。厳密な定義確認が済んでいないためご了承されたし
*3:これはあくまで渡辺総研の主観に基づく意見であり、厳密な分析はまだ済んでいない