渡辺フォーラムに行ってきたので内容まとめと今後のブログの運営方針について
先日「渡辺曜についての議論を深める場(=渡辺フォーラム)」に参加してきましたのでその内容まとめと、今後の渡辺曜研究の方針について述べた記事です。
目次:渡辺フォーラムに行ってきたので内容まとめと今後のブログの運営方針について
① 渡辺フォーラムの概要と指摘への返答
②Mさんの当ブログへの指摘
③Mさんの指摘への返答
④渡辺フォーラムの感想
⑤当ブログのこれからの方針
渡辺フォーラムの概要と指摘への返答
渡辺フォーラムと仰々しく書きましたが、要は『ラブライブ!サンシャイン!!』好きの仲間と会合する機会があったということです。そこでは筆者に負けず劣らず渡辺曜について考察を深めているメンバーがそろっておりましたので、そこでいただいた指摘や内容をまとめ、今後の渡辺曜研究の一助にすることを目的とした記事です。
先日の渡辺フォーラムでは主に「Mさん」、「Vさん」、「Yさん」、「Wさん」とそれぞれお話しをさせていただきました。改めて感謝申し上げます。
Mさんの当委員会への指摘
Mさんからは当ブログで取り上げた方法論や内容についての疑問点や指摘をいただきました。以下、Mさんの文章より引用です。その後、各引用箇所より個別に回答したいと思います。
*引用文は誤字・略字も含めて原文をそのまま掲載させていただきました。筆者からは黒太字のタイトルと赤字アルファベットとアンダーラインのみ、読む上での補助として追加させていただきました。
〈過去記事:渡辺曜を再考する①:「渡辺曜とは何者か?~その人気の源泉はどこにあるのか~」へのコメント〉
①何者
問いの明示:「なぜ渡辺曜がこれほどの人気を得るに至ったのか」、「その源泉にはなにがあるのか」、人々を惹きつける「渡辺曜の魅力とはなんなのか」
〈よさ〉
何者なのかがわかるような紹介をしている。
問いが明示されている。
〈疑問〉
A.Twitterのコメントにどのような考えを持っているか。
B.問いにどのようにアプローチしたいのかがはっきりしない。
〈過去記事:渡辺曜を再考する②:「境界を超越する渡辺曜」へのコメント〉
②境界の超越
得意技「高飛び込み」からのアナロジーでラ!サ!の視聴が「日常世界から異世界への超越」であることを主張。
→バレンタインメッセージの分析:呼びかけ、共有行為
→「〈フィクション〉に〈フィクション性〉を見出させないための訴求力」=「『同調可能性』が高い」
→「『ラブライブ!サンシャイン!!』の世界に〈リアリティ〉を与える一助となっている」
声優によるライブ
→「ラブライブ!」そのものが境界を超越し、「現実=二次元、ではない」とする違和感を打ち消す「同調可能性」を発揮している
〈よさ〉
発想それ自体。(奇想天外)
分析手法
〈疑問〉
C.「渡辺曜の視線」は、物語を見守る「視聴者の目線」と大きく重複する←より緻密なせりふ回しに関する分析が必要?-視線の重なり=「『同調可能性』が高い」?
D.ラ!それ自体の再現性の高さと、渡辺曜の同町可能性の高さの関係は?
E.同調可能性の高さはいかように渡辺曜の魅力を可能にする?(そのときの魅力とはどのようなものか?)
〈過去記事:渡辺曜を再考する③:「渡辺曜の〈身体論〉~非言語的メッセージを読み解く~」へのコメント〉
③身体論
〈よさ〉
発想それ自体。(まっとう)
身体・仕草への着目。
仕草の分類。
〈疑問〉
F.非言語メッセージについて読み解くときに、その解釈はどのように基礎づける?-個人的には、その前後の会話の文脈の中で出てくるのではないかと推測。だとすると、トランスクリプションとともに?
G.分類された仕草が渡辺曜に特徴的とする根拠は?
ーあるいは、仕草自体が渡辺曜個人に特徴的でなくとも、発言の傾向性とかAqours内での立ち位置(視点?)と組み合わさって魅力が生じる?
〈過去記事:渡辺曜を再考する④:「統計データから読み解く渡辺曜人気」へのコメント〉
④データから読み解く
〈よさ〉
発想それ自体。(まっとう)
〈指摘〉
H.Google Trendsの使い方:一見似ているけど「カテゴリーが違う」ワードをあぶりだす
似たような単語の「流行った時期」をあぶりだす
→調べればわかるけど、全く無関係で話題性が一定のワード(地名とか)を一つ加えることでグラフが見やすくなる場合もある
〈疑問〉
I.Twitterの情報どう扱うの?(*筆者注。疑問〈I.〉のコメントは疑問〈A.〉とほぼ同一の内容とみなして、回答〈A.〉にてまとめて返答します)
〈過去記事:渡辺曜を再考する⑥:「GoogleTrendsから見る各キャラの人気分析/台頭する国木田花丸」へのコメント〉
⑥Google Trends
〈よさ〉
地域差の考慮(すき)
〈過去記事:渡辺曜を再考する⑦:「第5話で渡辺曜界隈が騒然とした理由」へのコメント〉
⑦話題
〈よさ〉
発想それ自体(続けるべきまっとうさ)
〈疑問〉
J.裏方の情報は?
→演出方針の変更の可能性は?=騒然としたような演出をどう解釈する?
Mさんの指摘への返答
まずは当ブログ記事をここまで深く読み込んでいただいたことに、そして子細に疑問点や指摘をしていただけたことに改めて感謝申し上げます。そのうえで順に指摘への回答をしていきましょう。
回答〈A.〉:A.Twitterのコメントにどのような考えを持っているか。
質問意図から考えて、ここでは「I.Twitterの情報どう扱うの?」とまとめて回答させていただきます。しかし、それぞれの記事を書いた期間にはずれがありますので、その点のみ疑問〈A.〉、疑問〈I.〉と個別に触れます。
《疑問〈A.〉への回答》
まずは疑問〈A.〉から。過去記事①では「渡辺曜がどれだけ人気か」あるいは「渡辺曜に対する言説はどのようなものがあるのか」といったことを紹介する意図でツイートを引用しました。
逆に言えば、それ以上の意図はなく、当時はTwitterの情報をどう扱うのか?というMさんの疑問に対する答えは持ち合わせていなかったと思います。
というのも、実際にブログを運営している身として、ツイートの引用はいくらでも恣意的に選択できるということを筆者は知っていたためです。たとえば全体のうちの1割しかない意見の中からツイートを引用し、「世間ではこれがマジョリティな意見だ!」と喧伝することも十分可能です。つまり、「Twitterの情報そのものは分析に足る価値がある」ものの、「作者にとって都合のいい意見を抽出する」ことで(それが意図的か無意識かにかかわらず)、情報をねじまげて偏向してしまう可能性があるということです。
これはブログに限らず、様々なメディアで言えることかもしれませんし、また今現在筆者が行っている「渡辺研究庫」でも同様の傾向は多少なりともあるでしょう。少し話が逸れましたが、つまり「あくまで理解を助ける参考程度」としての意味合いで、当時の筆者はツイートを取り扱っていました。
《疑問〈I.〉への回答》
過去記事⑦ではGoogle Trendsを使った統計によって渡辺曜人気を示した後、渡辺研究庫を付録として掲載しました。疑問に対する基本的な返答は、上記の《疑問〈A.〉への回答》で述べたとおりです。
ただ別の理由も述べさせていただくと、一つの記事内にツイートの引用を含めると、ウェブでの検索でヒットしやすくなるため(単純に記事内での単語数が増えるので、検索で引っかかりやすくなるというだけの話)、PV数を増やすために打算的に含めているという筆者側の事情はあります。
しかし過去記事⑦を書いた時には「渡辺研究庫」というものを始めたこともあり、Twitterを一つの明確な「分析資源」としてみなしていました。
《分析対象としてのTwitterと活用方法》
ツイートを一部引用することはいずれにしても筆者側の検閲の入った意見ということになります。これをできるだけ緩和し、より分析資源としての質を高めるにはやはり量を集めるほかないと考えました。
つまり毎日「渡辺曜」に関するツイートを収集し、人々が渡辺曜についてどのような反応をしていたのか、あるいはそれがどのような文脈をきっかけにいかにして変貌していくのか、という過程を見ていくことは調査として非常に有効だと感じたためです。
これら収集したデータをカテゴリー別に分類することができれば、資料価値は一気に高まります。問題はどのように仕分けをするのかという点ですが、現時点では明確には決まっていません。ただ体感的にはいくつか群が見えてきており、たとえば「カップリングについての言及(”ようちか”、”ようよし”などさらに区分)」「セックスシンボルとしての言及(個別の身体的部位や、シチュエーションによってさらに区分)」「声優との関連言及」「〈渡辺曜〉という文字列への言及」「〈ヨーソロー〉などのセリフにまつわる言及」「渡辺曜と関連付けて語られる人物・キャラ」などがあります。これらをベースに分類していくことが考えていますが、いずれにしても一ヵ月ではデータとして不十分なため、さらなるデータの集積が求められます。
回答〈B.〉:B.問いにどのようにアプローチしたいのかがはっきりしない。
この記事を書いた時点ではたしかにどのように問いにアプローチするのかは見えていませんでした。しかし現時点では《疑問〈A.〉への回答》でも触れたツイートの分類データを元にした分析、すなわち視聴者の言及から反響的に〈渡辺曜〉という事象を捉えるという方向性になるかと思います。もっとも、これも漠然とした答えにはなるので、「今も模索中である」と答えた方が適切な気もします。
回答〈C.〉:C.「渡辺曜の視線」は、物語を見守る「視聴者の目線」と大きく重複する←より緻密なせりふ回しに関する分析が必要?-視線の重なり=「『同調可能性』が高い」?
「渡辺曜の普通性が視聴者への視線と同調するものである」と論じたのはこの過去記事になりますが、第7話まで放送された時点で、この主張は少し見直しを迫られていると感じています。詳しくはここでは述べませんが、この普通性は渡辺曜から津島善子へと移譲された、あるいはそう見えるような描写が作品内で提示されているためです。
ただ台詞に対する緻密な分析というのは、必要だと感じています。それと同時に、キャラ(つまり作品内でのコンテクスト)だけではなく、視聴者と渡辺曜というコンテクストでも分析の必要があるとは思います(ツイートの分析など)
よって、疑問の直接的答えとしては「そもそも記事の内容そのものが変更するかもしれない」ので、疑問に答えようがないとなるかもしれません。
回答〈D.〉:D.ラ!それ自体の再現性の高さと、渡辺曜の同町可能性の高さの関係は?
痛いところを突かれました…。筆者が作為的に言及を避けた箇所をずばり指摘されたという具合です。つまり『ラブライブ!サンシャイン!!』というコンテンツの持つ再現性の高さと、渡辺曜の同調可能性があるとしても、両者の相関関係を示すための根拠を筆者は持ち合わせていないのです。
そうした前提を含めたうえで、これから考えていく必要があると思います。
回答〈E.〉:E.同調可能性の高さはいかように渡辺曜の魅力を可能にする?(そのときの魅力とはどのようなものか?)
回答〈C.〉でも述べた通り、そもそも過去記事を書いた時の前提が、最新話の放送によって覆っているという事情はあります。ただ記事を改めて読み返してみると、同調可能性の高さと、渡辺曜の魅力の相関関係は回答〈D.〉と同じく、必ずしもあるとは言い切れないとわかります。この点は筆者自身も見落としていたため、まさに目から鱗状態でした。
少なくとも当時の考え方として、渡辺曜の同調可能性の高さが『ラブライブ!サンシャイン!!』に訴求力を与える、つまり「フィクション性を感じさせないもの」として糊付けするような効果があると論じましたが、仮にこれが正しいとしても、「なぜ渡辺曜は魅力的なのか」という答えには結び付きません。
よって、この問いに対しては、素直に「わからない」と述べるほかありません。
回答〈F.〉:F.非言語メッセージについて読み解くときに、その解釈はどのように基礎づける?-個人的には、その前後の会話の文脈の中で出てくるのではないかと推測。だとすると、トランスクリプションとともに?
これは回答〈C.〉で触れた緻密な台詞分析と同じく、非言語メッセージについてもトランスクリプションなどコンテクストを重視した分析が必要という点には同意です。ただ新たな問いの設定として、「渡辺曜の解釈余地性」というのも考察するべきだとも感じています。
過去記事②:「境界を超越する渡辺曜」でのバレンタインメッセージの分析でも見たように、渡辺曜の台詞には「いずれとも解釈できる」ような、ある種の曖昧さが付きまとっています。よって、「渡辺曜が発するメッセージをいかに正しく分析するか」というよりは「渡辺曜の解釈余地性がなぜ生まれるのか」という議題設定の方が、より本質をついていると感じています。
回答〈G.〉:G.分類された仕草が渡辺曜に特徴的とする根拠は?
これは仕草にかかわらず、当ブログの渡辺曜論すべてに言えることですが、ブログで論じた内容が「渡辺曜特有のものなのか」あるいは「他のキャラについても同様の特徴が見受けられるのか」を判別するための根拠を、筆者は持ち合わせていません。
それを示すためには、それこそ渡辺曜研究委員会で行っている内容を、他のキャラすべてに対しても適用しなければなりません。しかしそれには時間的・労力的にも多大なるコストであり、現時点で実現する目処は全く立っていません。
逆に言えば、この課題が解消されない限り、筆者がどのような素晴らしい論を提示しようとも、それが正しいとは言えないということです。これこそ当ブログが「ジョークサイト」という言い分を抜け出せない理由です。
将来的には検証する機会を設けるかもしれませんが、現時点では明確な答えを示すことができない、というのが正直なところです。
回答〈H.〉:H.Google Trendsの使い方:一見似ているけど「カテゴリーが違う」ワードをあぶりだす 似たような単語の「流行った時期」をあぶりだす
→調べればわかるけど、全く無関係で話題性が一定のワード(地名とか)を一つ加えることでグラフが見やすくなる場合もある
ーあるいは、仕草自体が渡辺曜個人に特徴的でなくとも、発言の傾向性とかAqours内での立ち位置(視点?)と組み合わさって魅力が生じる?
これは純粋に筆者が知り得なかったテクニック・知識ですので、参考にさせていただければと思います。
疑問〈I.〉については回答〈A.〉内でお答えした通りです。
回答〈J.〉:J.裏方の情報は? →演出方針の変更の可能性は?=騒然としたような演出をどう解釈する?
いわゆる製作陣からの情報については、現時点では入手ルートが限られています(一応、Twitterをやっているスタッフもいる)。一番現実的な手段としては、雑誌のスタッフインタビューや設定資料集(?)のため、これらの発売を待つほかありません。
過去記事で「騒然」と表現したのは作品内の演出ではなく、第5話を見た視聴者(特に渡辺曜界隈)の反応のことを形容したものであり(それにしてもいささか大げさですが)、作品内では騒然としたような演出にはさせていないはずです。
公式としてどのような演出意図を込めたのかは、現時点では知る由もありませんが、いわゆる「ようちか」案件を十分に盛り上げるための〈解釈余地性〉を”渡辺曜のシーン”で示したことは確かでしょう。
渡辺フォーラムの感想
渡辺フォーラムではこのような有益な指摘をいただけたほか、その他の話題についてもわいわいとお話しする場となり、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。
Mさん以外のその他の指摘として興味深かったのは、同会のある方の発言として出てきた
「渡辺曜は性格でシコらせる」
というものでしょうか。
この「シコる」という言葉の意味合いとしては「性的魅力を感じる」程度のニュアンスのはずですが、真剣に考えてみると実に奇妙な表現でもあります(ここでは詳しくは言及しませんが)。
一応発言した本人に確認を取ったところ、「性格でシコらせる」とは「性格がかわいい」という意味で使っていたとのことでした。
つまり「渡辺曜は性格が特出して魅力的である」と言い換えることができますし、実際にそうした側面も多々あるのではないかと思います。当ブログまでへと至る検索フレーズに”ラブライブサンシャイン渡辺曜の性格になりたい”と打ちこんだ方もいらっしゃるようですし、「渡辺曜の性格」というのも一つの重要なポイントであると感じました。
ともかく、改めて渡辺曜にまつわる新たな考え方に触れることができ、非常に有益な時間を送ることができました。それぞれの個人が思い描く渡辺曜の捉え方の違いについても興味深いところがありました。この点はのちの考察記事でも書いていこうと思います。
当ブログのこれからの方針
さて、アニメ本編も7話まで放送し、今日には8話も放送されます。物語も大きく動き出したところとして、そろそろ渡辺曜の考察記事を放出してもいい頃かなとは思っています。
というのも、ある話数を見て思いついた考察が、その次の週に放送された最新話に覆されるということもざらにあり、説を提出することに億劫となっているところはありました。
しかし、物語も折り返し地点を過ぎたことですし、出し惜しみする理由も特にないので、これまで考えてきた考察内容を続々と発表したいと思います。
ひとまず、中間報告として、渡辺総研の現時点での見解を示す記事を上げようかとは思いますが、いずれにしても、渡辺曜研究をさらに加速させていくことには変わりありませんので、よろしくお願いします。
渡辺総研
P.S. 会の友人からあわしまマリンパーク限定のクリアファイルをいただきました。ありがとうございます。「ようかな」が捗りそうなイラストですね…!
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